12月9日、12月議会の一般質問(2日目)に登壇しました。
今回は、以下の3点について、執行部の考え方を質しました。
1.家庭ごみ減量・資源化基本方針(素案)の問題点
2.野良猫対策
3.雑草の繁茂した空き地の解消に向けて
特徴的な質疑・答弁を報告します。
1.家庭ごみ減量・資源化基本方針(素案)の問題点 では、
(2)ごみ袋有料化と容器包装プラスチックの分別回収の実施時期
今回のごみ減量・資源化の新たな施策の実施時期は、社会経済状況などを十分に考慮しながら慎重に検討を行うとしていますが、コロナ禍の中で、コロナ感染症の予防措置の確立や、経済状況の回復、生活苦の解消の見通しが立つまで、有料化実施の決定をすべきではないと考えますが如何ですか。
【答弁】 ごみ減量・資源化を推進する新たな施策の実施時期については、社会経済情勢等を十分に考慮しながら決定する考えです。しかし、循環型社会の形成を促進する観点からも、ごみ減量・資源化を推進するための具体的な施策について、その内容や実施の是非などの検討を進めることは必要だと考えています。 今後は、中津市廃棄物減量等推進審議会の答申を踏まえ、「環境共生都市なかつ」の実現に向けて施策を検討してまいります。
③それぞれの施策の効果を把握するため、プラスチックごみの分別を先行させ、効果を見極めた後に、有料化の是非を検討するべきと考えますが如何ですか。
【答弁】 これまでも申し上げたように、ごみ減量・資源化を推進していくためには、一つの取組みだけではなく、様々な施策を一体的に取り組んでいく必要があると考えています。容器包装プラスチックは、令和3年7月からの実施を検討していますが、それ以外の施策についても、中津市廃棄物減量等推進審議会の答申を踏まえ、ごみ減量・資源化推進に向けた施策の一体的な実施を検討してまいります。
(4)指定袋の全市民への配布と不法投棄対策
分別せずにごみを多量に出す市民に負担をしていただく考え方は理解できますが、分別しても一般家庭では年間3600円(30L×120袋)程度の負担となります。生活保護世帯のみ無料ごみ袋を配付する負担軽減措置を実施することとしていますが、生活保護世帯よりも低い所得でも頑張って生活をしている方がかなりおられます。
そこで、市の目指す一定量のごみ袋を全世帯に無料で配布し、それを超える分を1L当たり2~3円で販売するシステムへの再検討をすべきと考えますが如何ですか。
【答弁】 一定枚数のごみ袋を無料で配布して、その配布枚数を超えた分を購入していただく「一定量無料型」では、 一定枚数を使い切るまでの減量や分別の効果が働きにくいことや、制度の運用費用がより多くかかるなどのデメリットがあります。 そのため、中津市では、ごみ袋を1 枚目から購入していただくことで、減量と分別の効果が見込め、また、他の制度に比べて制度運用費用が抑えられるなど、メリットが多い「単純従量制」での運用を考えています。
2.野良猫対策
(2)野良猫対策の情報提供と支援
中津市のホームページでは「猫の飼養について」の記事が掲載されていません。適正な猫の飼養や餌やりのルール、猫よけ対策の紹介をすべきと思いますが如何ですか。
【答弁】 相談窓口である県のホームページでは「猫の飼養について」の記事が掲載されていますが、市のホームページには猫に関して「飼い主のマナー啓発」「おおいたさくら猫プロジェクト」の記載しかございません。市民の皆様の生活環境に関することでもあるため、猫の飼養について市のホームページに記載します。
②また、野良猫よけ対策として、酢酸液等の忌避剤の無料配布や超音波式猫避け器の貸し出し等を実施すべきと考えますが如何ですか。
【答弁】 超音波式猫避け器については、3台所有しており、相談があった際には、一定期間試験的に貸し出すことは可能です。しかし、忌避剤、猫避け器ともに最初は効果があるものの、猫が慣れてしまう為か徐々に効果が薄れてくるようで、根本的な解消とならないと考えています。
今後も飼い主へのマナー啓発とおおいたさくら猫プロジェクトの推進により対応する方針です。
③動物愛護管理法で、猫には所有者表示に関する努力義務が課せられているものの、犬のように制度化されていないため、猫の所有者の有無を外形的に判断するのは困難です。飼い猫の屋内飼育の指導や引き取った猫の譲渡、さくら猫プロジェクトを推進するうえで、猫の所有者を判別する制度が必要と考えます。そこで、飼い猫の登録、首輪等の識別表示の制度を導入すべきと考えますが如何ですか。
【答弁】 猫の所有者表示に関しては、法律上努力義務であり、強制する事は難しいと考えています。 おおいたさくら猫プロジェクトでは、野良猫であることを確認するため、地域のゴミステーションや集会 所などに掲示し、所有者がいないことを確認しており、これまでのところ問題は発生していません。
今後も市報等により、飼い猫に首輪をつけるなど、飼い主への啓発を行っていきたいと考えています。
3.雑草の繁茂した空き地の解消に向け
(3)環境美化条例に措置命令、行政代執行規定の追加
現行の条例では、所有者等の協力がなければ、苦情主が泣き寝入りをしているのが現状です。そこで、「所有者に対し、あき地の管理責任の明確化、あき地の適正な管理を行うよう、市長は指導、勧告、命令ができることとし、さらに、雑草等の除去の措置命令を履行しない場合、不良状態が著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法に基づき、市又は第三者により除草等の行為を行い、除草等に要した費用をあき地の所有者等から徴収することができる」こととする条例を制定すべきと考えるが如何ですか。
【答弁】土地所有者に指導をするにあたっては、現行法上、登記事項を確認し、文書により指導するため、所有者の対応や連絡を待つしかない状況です。 相続人がいないなど、純然たる所有者不明土地だけでなく、解決に至らない土地の多くは所有者からの連絡の無い土地です。
このような土地に対して、行政代執行により除草をしても、草は3か月で伸びてしまい、代執行を繰り返すこととなります。 また、その費用の多くは回収できず、不良債権をかかえることとなってしまうだけでなく、現在適正に管理していただいている方も「放置していれば市が草を刈ってくれる。」となってしまう恐れがあります。 このような理由から、条例に措置命令、行政代執行規定を追加することは考えておりません。
②空家等対策特別措置法では、市長が必要と認めた場合には、危険家屋の解体や敷地内の樹木、雑草等の除却等を「行政代執行」できるようになっています。市民の苦情解消と生活環境の保全を図るため、空家法の対象にならない空き地についても、同様な対応ができるよう、規制区域を定めて行政代執行ができるようにすべきと考えますが如何ですか。
【答弁】 危険家屋の解体等の行政代執行は、一度執行すれば、当該家屋の存在がなくなりますので、一定の効果があると認識しています。一方、空き地に繁茂した雑草の場合、3か月に一度の代執行が必要であることや、毎年繰り返される可能性もあるため、その効果は低いと考えています。
現在、国が所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針において、「期限を区切って着実に対策を推進する」としており、これにより土地所有者等の責務がより明確になり、現在市が抱える管理不全土地の問題も解消に向かうと考えています。
今後も、国の動向を注視するとともに、所有者への繰り返しの指導により、市民の苦情解消と生活環境の保全に取り組んでまいります。
(おわりに)所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の基本方針では、空き地に繁茂した雑草の解消は困難です。先進事例に学び、住みたいまち中津の実現をもとめて質問を終わります。
※議事録抜粋は、関連資料をご覧ください。