活動報告
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2014/11/06:文教経済委員会現地調査(府中市)
文教経済委員会現地調査(府中市)

 11月6日、文教経済委員会で、府中市の武蔵国府跡及びふるさと府中歴史館等の現地調査を行いました。
 ①武蔵国府跡及びふるさと府中歴史館の概要
ⅰ)国史跡武蔵国府跡国衙地区
  「国府」は、古代の律令制において、令制国の国司が政務を執る国庁が置かれた都市であり、武蔵国(現在の埼玉県・東京都・神奈川県の一部)の国府は現在の東京都府中市にあったとされている。「武蔵国府」は長年の発掘調査の結果、大國魂神社を中心とした周辺に位置していたとされ、国府の中枢的な役割を果たしていた国衙と呼ばれる施設は、大國魂神社の境内および東側一帯にあったとされている。
 その中枢施設である国庁とみられる大型建物跡が、国指定史跡「武蔵国府跡」(武蔵国衙跡地区)」として整備され公開されている

文教経済委員会現地調査(府中市)

ⅱ)ふるさと府中歴史館
 ふるさと府中歴史館は国史跡武蔵国府跡の中にあり、建物は昭和42(1967)年に市立図書館、郷土館として建てられ、建物の外観はそのままに、平成23年に内部をリニューアルした複合施設です。(RC3階建て、建築面積1047㎡、延べ床面積2376㎡)
 1階の国府資料展示室では、武蔵国府跡やその関連遺跡の発掘調査の成果、古代国府を中心とした市の歴史や文化に関して紹介している。
 国府の調査成果の土器や瓦などの出土遺物の展示、タッチパネルを利用した「デジタル郷土かるた」、大型画面のCGにより奈良時代の国府の風景を再現した「国府百景バーチャルツーリング」などがあり、子どもからおとなまで文化財や遺跡について楽しみながら学習できる。
 また、くらやみ祭の映像紹介コーナーや市内の文化財や遺跡など歴史文化遺産全般を検索可能なデーターベースを備えている。
 2階は公文書史料室・公文書史料展示室、3階は国府資料室、展示室、事務室となっている。

文教経済委員会現地調査(府中市)

②武蔵国府跡及びふるさと府中歴史館の運営
ⅰ)国史跡武蔵国府跡国衙地区
 遺跡の運営管理は市が実施しているが、維持補修が主で管理人は選任していない。

ⅱ)ふるさと府中歴史館
 運営管理は市が実施しているが複合施設のため、国府資料展示室のみの運営費は未定。入館者は年間5万人程度となっている。

③ガイダンス施設について
ⅰ)国史跡武蔵国府跡国衙地区
 ガイダンス施設として建屋はあるが、柱の復元の様子やパネルを設置している。建物の壁にガラスをはめ込み、復元した柱群に広がりを持たせている。柱に、スギ材を使用したため、腐食が始まっているとのこと。

文教経済委員会現地調査(府中市)

ⅱ)国史跡武蔵府中熊野神社古墳展示館
 全国には上円下方墳とされている古墳は数多く存在するが、発掘調査等で上円下方墳と確定されたのは僅か5基。現時点で武蔵府中熊野神社古墳は最大・最古の上円下方墳となっている。
 平成21年に保存整備工事が完了し、展示室が近くに設置されている。
 平成23年、国史跡武蔵府中熊野神社古墳展示館として墳丘土層標本や石室入口の模型が展示され、学習室なども設けられている。
 施設の維持・運営、見学者への説明は、地元の方が実施しており、年に一度イベントも開催されている。

文教経済委員会現地調査(府中市)

≪成果≫
 武蔵府中熊野神社古墳展示館のガイダンス施設は小規模であったが、地元の方が交代で見学者の説明やイベントを実施するなど、今後の歴史施設の運営のあり方の参考となった。
 ふるさと府中歴史館の国府資料展示室は、国府百景バーチャルツーリングなどデジタル映像を使って分かりやすい仕掛けづくりが行なわれており、展示だけでなく、参加型の学習機能を持たせることで、入館者の増を図ることが可能であることが分かった。
 また、このデジタル映像を、展示コーナーが手狭である新歴史民俗資料館に配置することで、他の展示スペースを確保することが可能であることが判明した。