11月5日、文教経済委員会で、八王子市の以下の産業振興策の現地調査を行いました。
①企業誘致・中小企業支援の経過と概要として、新市長の政策として産業振興部を設置し、産業振興策を推進することとなった。公募市民を含む地域産業振興会議が中心となり、八王子市の産業振興策の提言が行われ、産業振興マスタープランに沿った施策が展開されている。
②平成16年の「いきいき企業支援条例」制定後の成果として、平成16年から平成26年度の実績で、支援指定件数54件、新たな雇用創出2115名となっている。効果額として約13億5千万円の税収増、直接投資額約1516億円となっている。
③「企業立地支援条例」へ改称した理由と内容として、「いきいき企業支援条例」では、企業立地を連想しづらく、利用する事業者にとっても分かりづらかった。制度の拡充として、対象地区の追加、市内小規模事業者立地奨励金(製造業で20人以下)を追加した。
④産菅学連携の取り組みとして、市直営の先端技術センター開発交流プラザに技術相談員2名を配置し、中小企業への技術的な相談やセミナー等を実施している。また、経産省承認TLOのタマティーエルオー株式会社を招致し、産学連携開発案件のコーディネートや補助金の管理法人等も担っている。
⑤産学連携のこれまでの成果と課題として、平成20年度から25年度の開発交流プラザにおける産学連携の相談件数は、194件となっており、新規商品開発等に寄与してきている。
⑥商業振興(中心市街地活性化と商店街振興の取り組み)として、「企業立地支援条例」に市内小規模事業者立地奨励金を追加し、商店の固定資産税、都市計画税、事業所得税相当額を3年間奨励金としてキャッシュバックする支援を行っており、商店街の活性化にも寄与している。
≪成果≫
「八王子市企業立地支援条例」は5年間の期限付きとなっており、5年おきに新制度へ移行することとしている。企業誘致の補助金制度は、その時々で変化するため、常に企業のニーズを組み込んだ制度に変革していく必要があるとの見解だった。
中津市においても、県下他市の状況や企業ニーズを把握し、適時見直しを行っていく必要がある。
また、八王子市は市長のトップダウンで産業振興を推進し、現在に至っている。産業振興は、マスタープランに沿って系統立てて取り組まれており、中津市においても産業振興の基本となるマスタープランの策定が急務であると痛切した。また、産学官連携の拠点となる施設や高いスキルを持ったアドバイザーの配置により、困っている中小企業を支援していく仕組みづくりが必要である。